認知症とはどんな病気なのか

WHOの定義

認知症について、WHO(世界保健機関)は次のように定義しています。

認知症は、脳疾患による症候群で、慢性または進行性であることが多く、記憶、思考、見当識、理解、計算、学習能力、言語、判断などの複数の高次大脳皮質機能に障害が発現するが、意識は影響を受けない。一般的には認知機能障害を伴い、情動コントロール、社会的行動、動機づけの悪化が先行することが多い。当該症候群は脳に一次的または二次的な影響を及ぼす多くの病態下で発現する。

高齢者の認知症の有病率について

高齢者の認知症有病率は、下の図のように年齢とともに上がっていく傾向にあります。特に、75歳を過ぎたところから急激に高まっていることがわかります。

年齢別に見た認知症患者の割合のグラフ。65〜69歳では数%ですが、年齢とともに上昇し、95歳以上では女性で約9割、男性で約5割となっています。
年齢別に見た認知症患者の割合(%)

認知症の方の人数と割合、今後の予測

下の図は、認知症の方の人数とその割合、そして今後の予測を表したものです。いずれも大幅に増えていくと予想されています。

認知症有病者数の将来推計のグラフ。2012年の462万人(15.0%)から、2060年には850万〜1,154万人(25.3〜34.3%)に増えると推計されています。
認知症有病者数と有病率の将来推計

認知症の種類と割合

アルツハイマー型認知症が最も多く、認知症の半分ほどがアルツハイマー型です。

認知症の種類の割合を示す円グラフ。アルツハイマー型が50%、脳血管性が20%、レビー小体型が20%、その他が10%です。
認知症の種類と割合

認知症の種類と特徴

アルツハイマー型認知症

変性認知症に分類され、多くは50歳以降に発症し、男女比は1:2と女性に多いとされます。特徴的な症状は、記憶障害、記名障害、見当識障害、物とられ妄想などです。進行は緩やかで、はじめに記憶障害が現れることが多いです。病理所見として、老人斑や神経原線維の変化が挙げられます。

脳血管性認知症

非変性認知症に分類され、50歳以上の男性に発症しやすいとされます。特徴的な症状として、感情失禁、まだら認知症、生活習慣病などが挙げられ、記憶障害はあまり見られません。急速に、段階的に進行し、発作を繰り返します。

レビー小体型認知症

変性認知症に分類され、多くは50代から70代の男性に発症するとされます。特徴的な症状として、ありありとした幻視や、パーキンソン症状(体のこわばり、動作が遅くなる、転びやすい、小刻み歩行)が挙げられます。進行は緩やかで、発症初期の記憶障害は少ないとされます。大脳の神経細胞にレビー小体が現れることが病理所見として挙げられます。

前頭側頭型認知症

変性認知症に分類され、40代から60代を中心に発症します。特徴的な症状として、常同行動(抑制が効かず、同じ行動を繰り返すなど)、性格やこだわりの変化、自己中心的になることなどが挙げられます。進行は緩やかで、初期に感情の変化が現れるとされます。病理所見として、タウたんぱく質などの蓄積や、前頭葉・側頭葉の特徴的な萎縮が挙げられます。

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